加古川市は「認知症」の早期発見、健康寿命の延伸につながるサービスの実現に向け、今年7月に実証実験を開始し、現在モニターを募集している。対象は市内に住む65歳以上の人。
実証実験は同市と綜合警備保障、NTT西日本、ジョージ・アンド・ショーンの共同事業。認知症を発症する前段階の症状「軽度認知障害(MCI)」は、日常生活は自分でできるため周囲から異変を気づかれにくいという。MCIは早期発見と対応によって認知症の進行や発症を遅らせられる可能性があるとされ、市ではMCIを検知する実証実験に乗り出す。
モニターが「みまもりタグ」を持ち歩き、市が設置した約1500台の見守りカメラやセンサーなどを使って、日常的な行動の変化から予知・検知する仕組み。モニターには日々の睡眠習慣を自動で把握できる「睡眠センサー」も無償で貸し出し、特典として睡眠習慣のリポートを提供する。実証実験は来年3月ごろまでの予定。
内閣府によると、加齢によって発症率が増加する認知症の患者も年々増加し、2025年には65歳以上の約5人に1人が認知症になると言われている。現在加古川市では約26万人のうち65歳以上が7万人を超えている。
加古川市情報政策課(TEL 079-427-9127)の十時崇充さんは「市が推進してきた『見守りサービス』を活用すれば、健康寿命の延伸につながるかもしれない。健康な人を含め多くの方に協力していただき、ぜひ加古川市の未来のためにも実証実験に参加してほしい」と呼び掛ける。
実証実験の募集期間は9月30日まで。