1962(昭和37)年、竜山石を皇居陛下に献上するため作業を行った記録映像が、高砂市内で石材業を営んでいた船倉光昭さん(加古川市東神吉町)の自宅から発見された。船倉さんはこの映像を後世に残そうとDVDにした。
映像は天皇陛下の還暦を祝い吹上御苑に新築された住居の敷石を準備する様子を記録したもので、8ミリフィルムに収められていた。映像には、高砂市の竜山で採石された原石をトラックから下ろす様子や、敷石として加工した後、わら縄で丁寧に梱包(こんぽう)してトラックに積み込み、東京へと運ぶ様子などが記録されている。
発見したのは、当時石材業を営んでいた船倉隆一さんの息子、船倉光昭さん。父親の死後、遺品の整理をしている時に8ミリフィルム数巻を見つけた。フィルムには隆一さんのメモが添えられ、献上した石材の加工をしたのは、当時兵庫県たつの市にある北川石材だということが分かった。
発見した船倉さんは「竜山石の敷板が敷き詰められた状況を想像すると楽しいものがある」と笑顔を見せる。一般へのDVDの貸し出しは行っていないという。