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高砂・松陽高校が震災の語り部活動を絵本化 震災の記憶を風化させない

絵本をPRする松陽高校防災ジュニアリーダーの溝口亮太郎さん

絵本をPRする松陽高校防災ジュニアリーダーの溝口亮太郎さん

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 兵庫県立松陽高校が3月から、同校防災ジュニアリーダー・ボランティア部の生徒が製作した、阪神・淡路大震災発生当時の状況を後世に伝えるための絵本を高砂市内の教育機関などに寄贈している。

発行した絵本「笑顔の向こうに~私だけが伝えられる命の語り部~」

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 同校は2017(平成29)年から防災教育推進校に指定され、2019年にはオリジナルの防災缶詰パン「松の陽だまりパン」を開発するなど、防災・減災を伝える活動を行っている。これまでは「松の陽だまりパン」の販売会を開き防災の意識向上を図ってきたが、本年度はコロナ禍もあり対面で活動ができなかったという。「さまざまなことが制限される中で今できることは何かを考えた。絵本であれば形に残り多くの人に見てもらいやすいと考えた」と同部顧問の北川欽一さんは話す。

 絵本のタイトルは「笑顔の向こうに~私だけが伝えられる命の語り部~」。西宮市在住で阪神・淡路大震災で1歳半だった長男を亡くし、語り部活動を行う高井千珠さんの話を元に綴った。全18ページで最終ページには非常用持ち出し袋リストを掲載している。絵本のイラストは同校美術部と高砂市立伊保小学校、同荒井小学校の児童がデザインした。絵本製作に携わった松陽高校防災ジュニアリーダーの溝口亮太郎さんは「高井さんの言葉や思いをどう表現するのかが難しかった。さまざまな思いが詰まっているので、震災の記憶を風化させないためにもぜひ手に取って、見て感じてほしい」と呼び掛ける。

 発行部数は700部。製作した絵本は市内の小学校などの教育機関や同市社会福祉協議会、同市図書館、兵庫県立図書館(明石市)などに寄贈する。

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