加古川のコミュニティースペース「びぃぷらす加古川」(加古川市加古川町、TEL 079-426-1442)で、「春のキルト展示会」が3月8日から開催されている。約20点を展示。
主催のおはなしキルト工房で活動する相川明子さんは「キルト展示会は団体では何度か経験はあるが、個展は今回が初めて」と話す。もともと手芸が好きで自営塾の傍らで近所の子どもたちに教えていたという。指導資格などを取得するため、1999(平成11)年ごろから本格的に習い始め、キルトと刺しゅうの祭典「キルト&ステッチショー」で行われたキルトコンテストのミシン部門に入選経験もあるという。
キルトは布を何枚もつなぎ合わせて一枚の作品を作る。古典的な模様を正確に表す技術もあるが、相川さんは3次元を2次元に表現し、イメージに合わせて変化させながら創作する。材料の布生地は、大阪、名古屋、三重、京都などの古着を扱う店で仕入れ、思い通りの色がない場合は自身で染めている。相川さんは「設計図は頭の中にあり、図で表すのは難しい」と言う。
縦2メートル、横1.65メートルの展示作品「departure-はじまり-」は、相川さんの両親の金婚式をイメージして、キツネの嫁入りで表現した。「お嫁さんの着物は本物の着物の布地を使っている。家族の意見を取り入れながら月の大きさや花びらの位置を何度も修正し、月の陰影や立体感を表すことに苦労した」と言う。仕事の合間に1年以上かけて仕上げた作品。
「かくれんぼカメレオン」は、葉っぱに隠れているカメレオンを表現。葉の色も、単色ではなく、数種類の色を使っている。「目には丸みのある『くるみボタン』を使用し、立体的で愛らしい表情にした」と相川さん。タペストリー以外にバッグや動物の形をした小銭入れなども展示する。
作品からの声を聞きながら作品作りをするという相川さんは「布は楽しい。作品を見に来ていただいて、作品からお話を聞いてもらえたらうれしい」と話す。
開催日は、3月8日~11日、13日~15日。開催時間は10時~18時(土曜・日曜・祝日は9時~17時)。