人気RPGゲーム「ファイナルファンタジー」(スクウェア・エニックス)のシリーズ最新作に、加古川のご当地グルメ「かつめし」が登場しているのではないかと地元ゲームファンの間で話題を呼んでいる。
スクウェア・エニックスからの回答を読む加古川観光協会 小南陵一さん(左)と辰巳公哉さん(右)
話題となったのは、2016年11月に発売された同シリーズの最新作「ファイナルファンタジーXV」(以下、FFXV)に登場するアイテム「あこがれの特盛りカツライス」。加古川観光協会の辰巳公哉さんが4月初旬、同ゲームをプレー中に、このアイテムが「かつめし」に似ていることを発見したという。
辰巳さんは日頃から「かつめし」の普及活動を行っていることから、このアイテムが「かつめし」にゆかりがあると信じ、同協会のSNSで情報提供を呼び掛けたが、1カ月以上有力な情報は得られなかったという。
加古川経済新聞では、5月29日が「かつめし」の日であることから、情報収集に協力する形でゲームを制作したスクウェア・エニックス(東京都新宿区)にメール取材を行った。
同社担当者からは「『あこがれの特盛りカツライス』の制作については、当初プランナーより3点の発注があった。『チキンライスの上位版』『揚げた肉がご飯の上にあるパワー系の料理』『肉はゲーム中に登場するモンスターの肉』といったイメージラフからCGを製作した」との回答があった。
当初は、一般的なとんかつソースがかかった和風カツライスのような物だったが、CG加工を行った際に、ソースの透明感を表現することが難しく、結果的にデミグラスソースを使った「かつめし」と似た印象になったという。
FFXVアートディレクターの長谷川朋広さんは「ゲーム内でキャンプをする主人公が肉料理としてカツも食べたいだろうと、豪快にご飯に盛り付けたアイテムを制作したが、まさにイメージそのままのものが存在したとは」と驚いた様子を見せる。
「このように反応を頂けると、改めて郷土料理や食の力を感じた。『かつめし』に興味が湧いたので、ぜひ加古川で味わってみたい」と長谷川さん。「この先FFXVでは料理もまだまだ追加されるので、そちらも注目してもらえるとうれしい」と呼び掛ける。
この内容を辰巳さんに伝えたところ、丁寧な回答に感謝しつつも、「違ったことは少し残念。偶然かもしれないが、たれとキャベツの見た目やネーミングはまさに『かつめし』だった」と話した。