加古川の「つそめ自然農園」(加古川市上荘町)が農園の一部を開放し、年間を通じた農業体験ができる試みを始めた。参加者は1区画48平方メートルの畑を来年2月まで使うことができる。
農園で育ったアーティチョーク。収穫野菜をほしい人に届ける仕組みも検討中だ
4月末に12区画を募集したところ、3日間で埋まったという。自分で作った大豆で味噌を造りたい人、数世帯で共同農園をしたい人などが集まったという。
農園主の吉岡正光さんは「コロナ禍で農業に関心のある人が増えていると聞いて、それならば広い農地の一部を貸してみようかと呼びかけてみた。予想より早く枠が埋まり驚いている」と話す。
同農園では、除草剤、農薬、化学肥料、牛ふん、鶏ふん、豚ふんを使わない。体験者もそのルールに則ったうえで、思い思いの作物と農法で育てることができる。
吉岡さんは「農薬などを使わなければ、耕作者が変わっても土の状態を維持できる。農業はやり方がたくさんあるし、実際にやってみると難しい。それを体験してもらう場所になれれば」と話す。
収穫した野菜は、参加者が個人で消費する程度のため、余ることが予想される。余剰野菜を欲しい人に届ける仕組みも作りたいと考える吉岡さん。野菜が届く仕組みや、借りている人同士が交流できる機会づくりなど、農業を通じたコミュニティーづくりを視野に入れる。
今後、区画の拡大を予定しており、拡大でき次第、随時入園者を募る予定。インスタグラムで知らせる。