加古川市が12月16日、防災情報伝達手段として導入するIPDC(Internet Protocol Data Cast)の実証実験を加古川市役所で行った。
IPDCとは放送波にインターネットで利用されているパケットを乗せてデータ配信を行う技術。同技術は神戸市外国語大学EDXL-PANS研究会の代表で同大学の芝勝徳教授が中心になって開発を進めてきた。受信には専用端末が必要。テレビコンセントから分配器で分けた一方を同端末につなぐことで受信できる。同市では読売テレビの放送波を使い防災情報を伝達するシステムの構築を目指す。
実証実験では市内4カ所に避難指示を発信。避難情報を受信した専用端末が鳴りながら振動すると文字情報が表示された。今後は同システムの拡張に関する実証実験に取り組み、同市が導入する「みまもりサービス」との連携や、臨時災害放送局開局時に同端末が自動で起動する仕組み作りにも取り組む。
「地上デジタル波を活用することで、多くの家庭で利用できる。地元のコミュニティーFMとの連携でさらにたくさんの情報量を地域住民へ発信できる」と芝教授。岡田康裕加古川市長は「スマートフォンを使えない高齢者には有効な手段。普段から端末を活用してもらえるよう、市の広報としても活用したい」と話した。
市は、来年2月から、同端末約600機を町内会、消防団などに配布する。