本格的な田植えシーズンを前に5月31日、加古川市志方町の原大池で豊作を祈願する神事「樋(ひ)抜きの儀」が行われた。
同儀式は水の恵みに感謝し、五穀豊穣(ほうじょう)を願って毎年5月最後の大安の日に行う。当日は、池を管理する水利組合と池の水を使う5地区の代表者とため池について学ぶ志方西小学校の児童が参列し、堤防に設けた祭壇に志方八幡宮の宮司が祝詞を奏上した。
原大池は江戸時代に築造されたと伝わる志方町内最大のため池で、広さ約9ヘクタール。志方西地区の「横大路」「原」「成井」「永室」「西牧」の5地区が農業用に取水している。神事後に池のバルブを開くと水は、水を5地区に分ける装置「円形分水工(えんけいぶんすいこう)」を経て集落へ流れ出した。見学した児童は「この池の水のおかげでおいしいお米が食べられているのでありがたいと思った」と笑顔で話した。
志方西地区の田植えは6月4日から次々に始まっている。