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加古川の「つり具山陽」が60周年 地域密着で苦境も乗り切る

数々の商品に囲まれる薄雲淳子社長

数々の商品に囲まれる薄雲淳子社長

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 加古川の釣具店「つり具山陽」を経営する「旭」(加古川市平岡町)が60周年を迎えた。

薄雲社長

 現在2店舗を経営する同社社長の薄雲淳子さん。「嫁ぎ先は神戸で、絹糸を使った釣り糸『本テグス』(天然テグス)を製造する会社を経営していた」と薄雲さん。義母は家の片隅で内職代わりに釣り具を製造していた。

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 家業は継がず会社勤めをしていた夫との新婚生活がスタートするが、安くて丈夫なナイロンテグスに押されて苦しい経営が続いたという。その最中、夫の転勤で加古川に移り住み、実家で製造した釣り具を加古川の家の軒先に並べたのが「つり具山陽」の前身だった。

 加古川では「釣好きの来店客が道具や商品について教えてくれたり、乳飲み子の世話や家事を手伝ってくれたりするなど、周りの人に助けられながら切り盛りする日々が続いた」と薄雲さんは振り返る。

 今では従業員も増え、来店客向けにスタッフ自ら企画・運営する釣り大会や旅行などを開く同店。薄雲さんは「従業員には口を挟まず、自由な発想で釣りを楽しむように指導している。何度か大型店の進出で売り上げが落ち込んだこともあったが、その度に『人・釣り・町』が好きな地域に密着する姿勢で乗り越えてきた」と話す。「自宅よりお客さまや従業員の笑顔あふれる店の方が、居心地がいい」と笑顔を見せる。

 薄雲さんは「これからは道具の販売だけでなく、釣りというアクティビティーに付随する体験型サービスの提供で、共感と感動をお届けできる企業に成長したい」と意気込みを見せる。

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