秋の全国交通安全運動の期間中となる9月24日と26日に、加古川警察署と加古川交通安全協会が引きこもりの高齢者宅などへ出向き、交通安全の啓発を行った。
日照時間が短くなり交通事故が増える時期に合わせ、昨年から計画を立てて実施。活動は署員1人と協会会員4人が新在家、野口、新神野を回り、2日間で約60世帯、80歳以上の高齢者を中心に交通安全を呼び掛けた。
加古川交通安全協会婦人部長の西浦冨士子さんは、民生委員も務め、日頃から一人暮らしや引きこもりの高齢者をサポートしているため街の事情に詳しい。啓発活動を行った加古川警察署の毛利明子さんは「警察では把握できない高齢者に直接呼び掛けることができる」と地域住民と協力した啓発活動の特徴を話す。
活動では交通安全を呼び掛けるパンフレットや夜間に使えるライトを配布。外出時に反射材の使用などを呼び掛けた。さらに一人一人と対面で呼び掛けることで的確な指導ができるという。
加古川警察署によると、2018(平成30)年に同署管内で交通事故により亡くなった高齢者は9人中6人で、県下平均を大きく上回っているという。歩行者事故の大半は道路横断中で、注意が必要だという。
同協会の西浦さんは「警察官と一緒に啓発活動をすることで、言葉の重みが違う。気軽に警察官に相談できることも利点」と話す。
同警察署の毛利さんは「協会会員と啓発することで、街の人たちから声を掛けてもらえる。地域ならではの話を聞くことができることや、高齢者の状況が分かりるのでありがたい」と手応えを感じている。