加古川の市民団体「Code for Harima(コード フォー ハリマ)」が3月2日、世界中でオープンデータの活用を啓発する「オープンデータデイ2019」に合わせ、加古川駅南の寺家町商店街と本町商店街で「マッピングパーティー」を開催した。
参加者が実際に歩いて調べた地元商店街の店舗や消火栓、ベンチ、道標などの情報を、誰でも編集できるウェブ上の地図「オープンストリートマップ」に記入していくというもの。近年、日本でも「マッパー」と呼ばれる地図作製者が増えているという。
当日は11時から参加者らがコミュニティースペース「00ワークショップスペース&オフィス」(加古川市加古川町)に集まった。コード フォー ハリマを運営する野方純さんが「オープンストリートマップはウィキペディアの地図版みたいなもの。今日は何を見つけて書くかイメージしましょう」などと説明すると、参加者らはメモを手に出発。晴天の中、思い思いに街歩きを楽しみながらも、真剣にメモ取りながら商店街を通り抜け、西約600メートルにある文化財「神田家住宅洋館」までを1時間かけて往復した。
午後からは地図の編集ソフトを使い、街歩きで発見した店舗などのメモを基に「オープンストリートマップ」に入力。初めて地図を作製する参加者も多かったが、終了後は「次は自宅の周りを書いてみたい」「楽しくてはまりそう。またマッピングイベントを開催してほしい」という声が上がった。参加者の子どもらも「マンホールを書いた」「ポストを書いた」と笑顔を見せた。
野方さんは「地域の歴史的なものを個人がデータ化しても、管理者がいなくなるとなくなってしまう。オープンデータにすることで、残すことができてみんなが使える。マッピングパーティーはデータが残るところが普通の街歩きと違う。オープンデータに触れるきっかけになれば」と話す。
コード フォー ハリマは昨年7月、加古川市役所でオープンデータの活用を進める水野あすかさん、兵庫大学教授の高野敦子さん、姫路独協大学非常勤講師の野方さんが中心になり設立した。月1回の定例会では地元の学生、市役所職員、さまざまな職業のメンバーが参加し、ITを使い東播磨地域の課題を解決する取り組みを続けている。
地域住民がITを使い、行政などとも連携しながら地域課題の解決に取り組む動きは、アメリカの「Code for America」から始まり、日本でも「Code for」を冠する団体と取り組みが広がりを見せている。
「地方公共団体のオープンデータは市民や地域とどうつなげるかが難しい」と野方さん。「ITを使うのは当然。今後はさらに行政と地域の人との連携が大切になってくる。この場がそれぞれの接点を作る場になれば。これからも長く続けていき、地域課題を解決していきたい。緩く開催しているので、興味がある人は気軽に参加してほしい」と話す。
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