「現代の名工」として知られる靴職人・三村仁司さんが主宰するM.Lab(加古川市東神吉町)が、ニューバランスと共同開発した陸上競技用シューズ「NB HANZO V2」が、このほど発売された。
同社とニューバランスが互いのデータと技術力を合わせて、強い蹴り出しや走行安定性、フィット性などを向上させたモデルで、エリートランナー向けの仕様となっている。M.Labは2018年1月にニューバランスとグローバル・パートナーシップ契約を締結し、レーシングシューズの共同開発を開始。代表の三村さんがニューバランスの専属アドバイザーに就いた。
三村さんは加古川市出身。兵庫県立飾磨工業高校の陸上部時代は長距離走選手としてインターハイなどに出場した経験を持つ。その後、オニツカ(現アシックス)に入社し、各スポーツ選手のシューズ作りを手掛け、厚生労働省から「現代の名工」として表彰されている。アシックスを定年退職は、2009年に同工房を設立。生まれ育った加古川に愛着があり、地域社会に貢献したいという考えから、2016年に現在工房がある東神吉町へ移転した。
選手に寄り添いながらシューズを作る職人として信頼が厚く、全国から三村さんを訪ねて将来を期待される学生ランナーやトップアスリートが集まるという。三村さんによると、工房の近くには加古川運動公園陸上競技場や平荘湖などがあり、選手にとってトレーニングに集中できる環境だという。
三村さんは「今まで世界で戦いたい選手の靴を作ってきた。今後も1人でも多くの選手が世界で活躍していくよう選手をサポートし、求められるシューズを作りたい」と意気込む。