鶉野(うずらの)飛行場(加西市鶉野町)の歴史を解説する「姫路海軍航空隊の全容展」が1月4日、加古川市民ギャラリー(加古川市加古川町)で始まった。
同展は姫路海軍航空隊鶉野飛行場を通して、戦争中の様子が分かる内容。主催は「加古川飛行場を記録する会」。
同飛行場は1943(昭和18)年10月に完成し、姫路海軍航空隊が編成された。終戦の年となる1945(昭和20)年には特攻隊「白鷺隊」が編成され、同飛行場から飛び立った63人の命が失われた。飛行場へ向かう多くの人はいったん加古川駅で降り立ち、北条鉄道(加西市)を利用したという。
展示は鶉野飛行場の完成から航空隊の訓練の様子、特攻隊「白鷺隊」の編成、戦後の様子までを当時の貴重な資料と共に約50点のパネルや航空写真などで解説する。
レプリカ展示として、同飛行場にあった「川西航空機姫路製作所鶉野工場」が製造した戦闘機「紫電改」の模型や、同機に装備された20ミリ機関銃の実物大レプリカも展示。「紫電改」は現在、加西市からの委託で茨城県内の企業が実物大レプリカを製作中で、製作の様子はパネルで展示する。
同会の上谷昭夫さんは「完成から終戦まで2年間しかなく、機密も多い飛行場なので、写真を手に入れるのが大変だった。資料も多くが焼却されたので、個人が所有していたものが多い」と話す。
同飛行場近くの職場に勤務していた際に、戦時中に飛行場で働いていた関係者らが「飛行場の事を教えてほしい」と尋ねてくることから調査を始めたという上谷さん。本格的に調査を始めた1993年にはまだ多くの生存者がおり、本人から資料を預かることもできたというが、「今では生きている人が少なくなった。今後は資料の収集もより難しくなるのでは」とも。
上谷さんは「戦争中に加古川にも縁のある一つの飛行場がたどった歴史を知ってほしい。製作中の紫電改の写真も見てもらえれば」と来場を呼び掛ける。
開館時間は9時45分~18時(最終日は16時まで)。入場無料。今月15日まで。