加古川総合文化センター内の加古川食堂（加古川市平岡町）で3月23日、ケーキセットとともに音楽が楽しめる「レストランミニライブ」が開催された。同施設主催。

当日の様子

　同施設では、加古川の芸術文化の普及とアーティストの制作環境・発表の場を提供する「アーティスト支援プログラム」を実施している。春に公募を経て選ばれた支援アーティストは、5月から翌年3月まで、音楽練習室や美術創作室を無料で利用できる。

　同イベントでは、2022年度の支援アーティストの藤野翔真さんが成果発表として演奏した。藤野さんは「the caves（ケイブス）」の名で音楽活動をする加古川市在住アーティスト。

　藤野さんは「コロナ禍で発表の場が遠くなったと感じていた。路上ライブもはばかられるなか、安心して練習や演奏ができる環境はとてもありがたかった」と振り返る。「館内などで演奏するうちに、その場で過ごす人たちの邪魔をしない、なじむような音楽がしっくりくると肌で感じた。アンビエント・ミュージックと呼ばれる『家具のように日常生活を妨げない音楽」がぴったり当てはまり、今回の演奏曲を選ぶ決め手となった」とも。

　当日は事前に予約していた28人が参加し、藤野さんの高音ボイスに耳を傾けていた。「ふるさと」をみんなで歌う時間もあり、会場は一体感に包まれた。

　藤野さんは「演奏する人も聴く人も、その場を一緒に過ごすことで、ちょっと気持ちが引き上げられるような相乗効果を感じる時間になった」と振り返る。