7月6日に開幕する第101回全国高校野球選手権大会で試合が行われる高砂市野球場(高砂市米田町)で、大会に向けてグラウンド整備が進んでいる。
高砂市野球場は1972(昭和47)年に完成。外野には天然芝が張られており、今でも手書きのスコアーボードが残るなど歴史を感じさせる球場となっている。同球場でグランド整備を行っているのは10年ほどの経験を持つ高砂市施設利用振興財団の奥田武弘さん。阪神甲子園球場の整備の経験もある阪神園芸の職員と2人で担当している。
毎年1月には土を15センチほど掘り起こす大規模な整備を行い、グランドが固くなりすぎず、水はけの良さも考慮しながら作業している。特に夏の大会では雨による日程変更があるとスケジュールへの影響が大きく、水はけ具合を見るためにグランドを歩きながら鉄串を地面に刺して入念にグラウンド状態を確認すると言う。芝生の成長も早くなるため、週に1度は15ミリ程度に芝刈りを行う。
施設を管理する同財団の東野哲也さんは、整備を行う2人について「仕事に責任感を持っている。グラウンドだけでなく観客席の芝生やスタンドの手入れなど、広い場所を頑張って2人でやってもらっている」と話す。
奥田さんは「滑らかで奇麗なグラウンドになるように心掛けている。試合中に打球がイレギュラーバンドすると、たとえ選手のスパイクの跡だったとしても自分が100%でやっているつもりでも出し切れていないことがあったのかもしれないと思いがっかりする」と、グラウンド整備へのこだわりを話す。
「選手や監督から『奇麗なグランドですね』と言われるととてもうれしいと」話し、試合に挑む球児には「けがをしないよう精いっぱいやっていただきたい」とエールを送る。