100年前に失われた「高砂染」の再興を目指しエモズティラボ(高砂市高砂町)が現在、高砂染の創業家と若手デザイナーと協働で「高砂扇子」開発プロジェクトを進めている。
「高砂染」は、徳川家の筆頭祝言曲であった能「高砂」をテーマとし、「高砂神社の相生の松」を下から見上げたような松枝柄と祝福を表す吉祥紋を「2重型染め」技法により立体的に重ねた美しい図柄が特徴。400年前に姫路藩より幕府に献上もされている。新元号である「令和」をことほぐに当たり、若手デザイナーたちによって新たに扇子としてリデザインされた。エモズティラボ社長の寄玉昌宏さんは「祝いの象徴である『扇子』に『高砂柄』を施すことで誰かにお祝いするのにぴったりな品物となった」と語る。
今回は3人の若手デザイナーによる計16種類の高砂柄を用意。扇子には高砂染創業家当主が認めた証しとして「高砂染宗家之印」を押印したシリアルナンバーが付く。クラウドファンディング限定商品として扇骨(黒・茶)も展開予定。扇子は全て「京扇子 大西常商店」の職人の手張りによって作製される。
ブランド名「a.m.ta.(アムタ)」には、「Aioi-no-Matsu in Takasago」の意味を込める。寄玉さんは「『日本で最もめでたい染め物』として老若男女に愛される、新時代にふさわしい新しい祝いの形を提案していくブランドにしていきたい」と意気込む。