高砂市曽根町の東之町で32年ぶりに屋台が新調される。3月24日に旧屋台の除魂式が行われ、長年親しまれた屋台に別れを告げた。式は屋台の魂を抜く神事。
屋台の新調は老朽化と安全面の確保のためで、東之町自治会屋台部事務長の加古陽一さんは「昔は砂場や土の上が多かったが、現在はアスファルトが増えたことにより地面へ下ろす時の屋台への衝撃が増した」と老朽化を早めた一因を語る。
新調する屋台は木曽檜(きそひのき)を使い丈夫で軽量化もされる。加古さんは「木曽檜は現在入手が困難であるが、30年以上付き合いのある宮大工の方が何とか仕入れてくれた」と話す。旧屋台のかき棒は大工が棒の素材の良さに驚き、新屋台でも現役で活躍することになった。
新屋台は白木の状態で今年9月にお披露目され、同年の秋祭りにデビューする。来春には金物、漆塗り、刺しゅうが施され完成する。
加古さんは「元号が変わる年に白木を披露、東京オリンピックの年に完成し記憶に残る屋台になる」。さらに「屋台やお祭りで地域貢献ができればうれしい。これらを通じて地域がつながり、町を知ってもらい、子どもたちが参加し笑顔が増えれば」と意気込む。