高砂の「ユーアイ帆(ほ)っとセンター」(高砂市高砂町)で9月22日、簑田由美さんによる市民講演会「わたしが見てきた世界」が開催される。主催はNPO法人ささゆり会。
同会は「東播地区人工呼吸器を付けた子の親の会」の母親たちによって2017年5月に設立。医療ケアの必要性が高い子どもたちが、安心して過ごせる「重度障害者通所事業所さち」を2018年3月に開所し、現在は障がいのある人たちや障がい児者に関わる医療・福祉・教育などの関係者に研修会や情報交換会など安全で安心できる地域生活に関する事業を行っている。
同会代表の原田文孝さんは「これまで専門職に向けた講座を開催してきた。今回は、より幅広い方々に障がい者問題などについて知ってもらいたいと考え、どなたでも参加できる市民講演会を開催することにした」と話す。
同講演会では、原田さんが加古川特別支援学校在勤時に生徒だった簑田さんが講演を行う。簑田さんは生まれつき筋肉の発達が弱く、漏斗胸や肺機能の障がいがある。2004年に加古川特別支援学校高等部を卒業し、現在は「いーちゃん」というアーティスト名で詩を書く作家活動を行う。B型就労支援を受けながら24時間人工呼吸器を装着し車いす生活を送っている。
当日は「健常者が障がい者へ抱いている不満について」や「障がい者として健常者に知ってもらいたいこと」、「同じ障がい者としてあらためてほしい障がい者の行動について」など、簑田さんの33年間の人生で感じてきたことについて講演するという。
蓑田さんは「障がい者と健常者はもっとコミュニケーションを取り、お互いに理解を深めることが大切だと感じている。この講演会へ気軽に参加してもらい、障がい者がどんな風に生活し、どんなことを感じているのかを知ってもらいたい。障がい者について普段は聞いたり、伝えたりしづらいと思っていることも恐れずにどんどん質問してほしい」と参加を呼び掛ける。
開催時間は10時~12時。入場無料。