高砂出身の発明家・工楽松右衛門が開発した帆布生地「松右衛門帆」を再現して作られたボディバッグ「レオ」が、フランス・パリで常設展示・販売され半年がたった。
経済産業省の近畿経済産業局が実施する海外販路開拓支援事業で松右衛門帆のかばんが選定されたことから、パリへの進出が実現。1年間限定で、パリ1区の日本人街サンタンヌ通りからほど近いアンテナショップ「メゾン・ワ」で常設展示やテストマーケティングが行われているという。
工楽松右衛門は江戸時代中ごろの1743年に高砂町で生まれ、太い木綿糸で織り上げた厚地で幅の広い丈夫な帆布「松右衛門帆」を開発した。それまでの帆布はもろくて弱いものだと推測されており、当時の海運業において革新的なものだったという。
工楽松右衛門の功績を後世へと伝えようと、2010年に高砂物産協会が神戸芸術工科大学の協力を得て「松右衛門帆」を復元。2016年からは、同協会から委託を受けて「御影屋(みかげや)」(高砂町今津町)が松右衛門帆製品の製造・販売を行っている。
松右衛門帆かばんがパリに渡って半年がたった現在、同店では商品2つが販売されたという。現地スタッフが消費者に商品の感想を聞き報告するテストマーケティングでは、9月までに約40のコメントが集まった。
生地の仕上がりや美しさなどが評価される一方で、かばんのデザインや大きさについて意見もあり、実用性の面で日本人との好みの違いが分かったという。
高砂物産協会理事長で御影屋代表の柿木貴智さんは「生地の評価は高く良い感触。今後は現地の意見を参考に新しい商品開発をし、海外展開を考えている。残り半年はビジネス用のトートバッグで市場調査していく」と松右衛門帆かばんの発展に意欲をみせた。
問合わせは、御影屋(TEL 079-440-9031)まで。