兵庫県立東播磨高校(加古郡稲美町)の演劇部が2017(平成29)年に全国大会で最優秀賞を受賞した作品「アルプススタンドのはしの方」が映画化され、7月24日から全国で順次公開されている。
東播磨高校演劇部が原作の「アルプススタンドのはしの方」が映画化
同作品は同校で当時の演劇部顧問だった藪博晶さん(現・東播工業高校教諭)が創作した青春ストーリー。球児や応援団のような爽やかな青春を送れず、スタンドの端でただ見ているだけの高校生の心の変化にスポットを当てた作品。2017(平成29)年8月に宮城県仙台市で開かれた「第63回全国高等学校演劇大会」で最優秀賞を受賞し、その後も全国の高校でリメークされ続けるなど人気を博してきた。
昨年6月には「浅草九劇」(東京都台東区)で舞台化もされた。その舞台後に映画化の話を受けたという。藪さんは「話を聞いたときはびっくりした。新しく作ってもらってまた新しい人に見てもらえるのはうれしい」と笑顔で話す。同校OGで当時のコーチをしていた上原優香さんは「一幕もので場面転換もなく、同じセットで完結するこの作品を映画化するのは難しいと思った」と心境を話す。
同校の演出では、挫折を経験した演劇部と元野球部、帰宅部の4人のみの出演。一方、映画では熱血教師やブラスバンド部の生徒も出演するという。同校OGで、当時演劇部員「安田あすは」役を演じた大西史華さんは「ブラスバンドはスタンドの端ではなく真ん中にいる人たち。その人たちがどのように描かれるのかとても楽しみ」と期待する。藪さんは「高校演劇を知らない人は多いと思う。今回の映画をきっかけに高校演劇に興味を持ってもらえたら」と笑顔で話す。
7月24日からイオンシネマ加古川(加古川市平岡町)ほか全国順次公開。