
全国社会福祉法人経営者協議会(東京都千代田区)は、福祉の現場で活躍する若手を表彰する「社会福祉ヒーローズ」賞の、2025年度のグランプリ「ベストヒーロー賞」を、愛知県清須市の「社会福祉法人西春日井福祉会」に勤務する、介護福祉士のラマ・サビナさん(30歳)に授与しました。
ラマさんはネパール人で、外国籍を持つ初の「ベストヒーロー賞」の受賞者です。また愛知県からのグランプリ受賞も今回が初めてです。
当協議会は本日2026年1月28日(水)に、“日本一の福祉ヒーロー”を決める全国大会「社会福祉ヒーローズ2025」を、東京の会場で開催し、6県(埼玉、神奈川、愛知、兵庫、鳥取、長崎)のファイナリスト6人によるプレゼンを経て、グランプリである最優秀賞「ベストヒーロー賞」を決定しました。
順位は当日のプレゼンを聞いた「特別審査員」「学生審査員」と、各人の活動内容をアップした公式SNSの反響による「事前一般審査員」の合計得点(100点満点)で決めています。
ラマさんは今回93点を獲得し、日本一の栄誉に輝きました。
なお2位とは1点差の僅差で、2位は兵庫県明石市の幼保連携型認定こども園「和坂こども園」(社会福祉法人和坂福祉会)で保育教諭として勤務する佐藤涼さん(さとう・りょう、36歳)でした。
「社会福祉ヒーローズ」は2018年に創設した賞で、今回8回目を迎えます。賞の対象は、国内で介護や保育、障害者支援などに従事する20~30代(応募時の年齢)の若手職員で、国籍は問いません。「社会福祉の甲子園」として、「福祉の世界を変える意欲と実績のある若手」を基準に表彰しており、2025年度を含む受賞者は53人です。選考は主催者と福祉関連の有識者が担います。
「ベストヒーロー賞」の受賞に対して今回から、福祉の魅力を発信する活動支援金として、30万円を贈呈しています。
ラマさん「日本式の介護を世界中に伝えたい」 受賞スピーチで抱負
受賞を聞いた瞬間のラマさんは口に手を当て控えめに喜び、受賞スピーチで「ベストヒーローに選ばれて、とっても嬉しいです。緊張していましたが、自分の言いたいこと、想いとか、経験したことはみなさんに伝えたと思います。これからも利用者さんに寄り添い、日本式の介護の魅力とやり甲斐(がい)を世界中の人々に伝えていきたいと思います。頑張ります」と喜びを噛み締めるとともに、未来への抱負を語りました。
ラマさんのプレゼンを聞いた特別審査員の一人は、「ネパール人初というチャレンジスピリットがすごい。母国語ではない日本語でここまでプレゼンできるのもすごい。介護施設のないネパールに戻られた時に、日本式の介護を伝えていってくれる、日本とネパール、それこそ世界中の架け橋になっていくのではないかと、そんな期待まで膨らんでしまう」と驚き、評価しました。
ゆうちゃみさんは「福祉は素晴らしい仕事。私もそんな人間に」とコメント
当日はゲストとして、人気モデルでタレントの「ゆうちゃみ」さんが会場に駆けつけ、プレゼンや受賞スピーチを聞きました。
ゆうちゃみさんはラマさんのプレゼンを聞いて「ラマさんの笑顔でどれだけの人が救われているのだろうと思うと、とても感慨深いものがありました。日本語を勉強するだけもで大変なことだと思うし、日本で介護をするなんて(すごい)、こっちが幸せになる気持ちがしました」と声をかけました。
また、ラマさんら「社会福祉ヒーローズ」賞の受賞者(ファイナリスト)6人の取り組みについて「今日のヒーローズを通して私も初心に戻って頑張らないといけないなと思った。福祉の仕事って改めて素晴らしいお仕事ですし、私もそんな人間になりたいなと思いました。今日を機にまた、さらなる笑顔をみんなにいっぱい届けられればなと思います」と話しました。

【愛知県】(福)西春日井福祉会 ラマ・サビナさんの取り組みについて
ネパール人初の介護技能実習生の一人、国家資格「介護福祉士」に一発合格
愛知県清須市の特別養護老人ホーム「ペガサス春日」(社会福祉法人西春日井福祉会)に勤務するラマ・サビナ(30歳)は、ネパール人初の介護技能実習生の一期生です。
ラマは、ネパールの看護学校を卒業後一年間、母国での就業を経て、2019年7月に来日。2024年3月には国家資格「介護福祉士」に一発合格し、昨年(2025年)4月からは所属フロア4人のスタッフを束ねるリーダー介護員に抜擢され、ネパール人はもちろん、日本人スタッフの上司として日々奮闘する毎日です。
また彼女は業務の傍ら、厚生労働省(福祉人材確保対策室)や県議会による視察への対応や、地元清須市の市長訪問などを通じて、「外国人でも介護福祉士としてしっかり働くことができる」ということを発信し続けています。
国家資格である「介護福祉士」に加え、日本語能力試験において、日常会話や評論の文章を理解できる「N2」も取得するなど、その努力に入居者や職員が一目置いています。
ラマの原動力は、「サビちゃん、サビちゃん」と親しみを持って呼んでくれる入居者の方々。彼らと接するうちに、「いつの間にか自分も名古屋弁を話すようになっていました」と笑います。
現在は、より良い介護を提供できるよう、認知症ケアの資格取得も考えています。「奥が深い介護の仕事をもっともっと極めていきたい」「日本の介護の魅力ややりがいをもっともっと世界に向けて発信していきたい」、そう意気込みます。
愛知県からのグランプリ受賞はラマが初めてです。
【兵庫県】(福)和坂福祉会 佐藤涼(さとう・りょう)さんの取り組みについて
「サーカスをやりたい!」子どもたちの閃きや発想を地域資源とつなげて実現
兵庫県明石市の幼保連携型認定こども園「和坂こども園」(社会福祉法人和坂福祉会)で保育教諭として勤務する佐藤涼(さとう・りょう、36歳)は、「子どもたちの閃きや発想を地域資源とつなげること」に取り組んでいます。
佐藤は今、「保育現場では新たな能力が求められている」と話します。子どもたちと園庭で鬼ごっこをしたり、保育室でピアノを弾いて歌ったり、お昼寝の準備や環境を整えることはもちろん大事な仕事です。ただそれだけでなく、子どもたちの閃きや発想を大事にしながら、自らやってみたいと思うことを実現させてあげる力が現代の保育教諭に必要なのではないか、そう投げかけています。
「サーカスをやりたい!」。年長クラスの担任をしていたある日、一人の男児が言いました。
その場限りの思い付きかなと、ついつい聞き流しがちな、こうした園児の言葉。しかし佐藤はそれを「閃き」と捉え、すぐに実現のための道筋をつけます。まずは地元のサーカスを園児と観に行き、本物から刺激を得てもらいます。ピエロやパフォーマーに感銘を受けて、「ぼくもこれをやりたい!」と、各人が役割を決めて、後日保育園でサーカスを開催。保護者に披露することもできました。地元で開催されたサーカスという地域資源と、子どもたちの「やりたい」を、佐藤の行動力でつないだ瞬間でした。
子どもたちのアイデアや創造力を、園内だけでなく地域へと出かけることで育み、多くの経験や体験を通じて心も体も成長してほしい、それが保育教諭としての佐藤の願いです。
当日の動画や写真、ファイナリストの取り組みについて
授賞式の様子は、当協議会の公式YouTubeチャンネル(https://youtube.com/live/xA22oR8sFak?feature=share)でご覧いただけます。