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加古川で「わたばたけサポーター」募集開始 安心して綿作りを

綿花と綿の木を手にするする鷲尾さん(左)と寄玉さん

綿花と綿の木を手にするする鷲尾さん(左)と寄玉さん

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 加古川で綿花栽培や商品開発を行う「かこっとん」(加古川市志方町、TEL 090-3278-8567)が3月8日、「わたばたけサポーター」の募集を開始した。

綿の木と可搬式の粉砕機

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 2011年、加古川の肌着メーカー「ワシオ」(加古川市志方町)の鷲尾吉正社長が理事長を務める兵庫県靴下工業組合をはじめとする基幹企業5社が「ワタで日本を元気にする」ことを目的に設立した「かこっとんプロジェクト」が、2015年11月に株式会社として法人化した同社。基幹企業以外にも「ものづくりパートナー企業」として5社がベビー服や靴下などの製品、レーヨンなどの素材、製品を製造するための機械を作るなどして関わりを持つという。

 同社事業開発マネジャーの寄玉さんは「他の作物と同様、綿花栽培は気候によって収穫量が変動するなど農家にとってはリスクが大きい。安心して綿作りに取り組んでもらうために『わたばたけサポーター』の募集を開始した」と話す。支援者には、畑に支援者の名前を冠した看板の設置、支援金額に対して最大130%の返礼、関連イベントへの無料参加などの特典があるという。

 4月からは農業と福祉の連携である「農福連携」の下、これまで廃棄するしかなかった「綿の木」を再利用する新たな取り組みにも着手する。具体的には粉砕したチップを次の栽培に備えて土壌改良や防草に活用する「農業資材化」、レーヨンと呼ばれる植物性再生繊維として繊維化し、衣料品や糸として活用する「再生繊維化」、紙すきの繊維として活用し、コットン100%のペーパーを作る「紙資源化」の3つ。これらの取り組みには「残渣の再資源化」が新しい福祉作業に新しい付加価値を生むという思いが込められているという。

 社長の鷲尾さんは「綿を栽培して加古川を元気にしたい」、事業開発マネジャーの寄玉さんは「21世紀にふさわしい新たな綿作りの仕組みを加古川から世界に向けて提案していきたい」とそれぞれ思いを語る。

 募集期間は4月12日まで。

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