加古川市在住の美術作家、藤原向意さんの作品展「身近な素材を使った表現-手仕事に徹する-」が3月8日、加古川市立松風ギャラリー(加古川市野口町、TEL079-420-2050)で始まった。10日には藤原さん自身によるギャラリートークも開催。多くの来館者が熱心に作品の説明に聞き入った。主催は加古川市美術協会。
藤原さんは60年以上にわたり作画活動を行い、水彩・油彩・版画・木と紙による半立体的な絵画を独自の視点で制作。近年は河原や道で拾い集めた流木や小石、貝殻、空き缶などを絵具と混在させ「人間」をテーマに人の顔を模した半立体的造形作品を制作。「日課の散歩で、画面に付着できそうな物が落ちていると拾ってポケットに入れている。掃除にもなるし気付けば両ポケットがいっぱいになることも」と笑顔で話す。
今回は、作品名「森から」「動物記」「人・動物」「人」などのシリーズ作品をはじめ、「顔シリーズ」「和紙に描く」「小枝で骨組みした作品」などの小作品数点、計145点を展示。最近ではカラフルな作品が増えたという。「現実にないものを想像して、自分のものにするのが面白い。現実離れしたらいろいろなものが浮かんでくる」と話す。
藤原さんをよく知る姫路市在住の竹廣龍一さんは「これはまだ誰もしていない仕事。非常にユニークな作品。面白い作品だと素直に捉えればいい」と話す。
同ギャラリーの岩坂純一郎館長は「地元加古川で活躍していることをもっと多くの方に知ってほしい。なじみのない方も作品を見に、ぜひお越しいただければ」と来館を呼び掛ける。
藤原さんは「身近な素材で、費用をかけなくてもいろいろな作品ができることを知ってもらえたら」と話す。
開催時間は9時~17時(最終日は16時まで)。入館無料。今月17日まで。