学ぶ・知る

加古川で濱脇奏さん個展「26音の空間+無音」 言葉を覚える感覚、作品で表現

インスタレーション作家の濱脇奏さん

インスタレーション作家の濱脇奏さん

  •  

 「松風ギャラリー」(加古川市野口町、TEL 079-420-2050)で9月10日、インスタレーション作家の濱脇奏(はまわきかなで)さんによる個展「26音の空間+無音」が始まった。

「無音」を表現したインスタレーション作品

 ドイツのデュッセルドルフ美術大学で空間全体を使い表現するインスタレーション作品に取り組む濱脇さん。「展示のテーマは『言葉』。どうやって言葉を覚えたのだろうとの思いから、言葉を知らない時に言葉を覚える感覚を表現した」と話す。

[広告]

 作品は二つの部屋に分けて展示を行う。「26音の空間」では濱脇さんが言葉と向き合った過程を展示する。「無音の空間」では言葉がない世界を表現した。「音がないからこそ研ぎ澄まされる感性を表現したい」と濱脇さん。言葉がなく静かな状態と、自分が言葉を発し周りが反応する様子を光で表現した。

 作品制作のきっかけはドイツ語を覚えた時の感覚だったという。濱脇さんは「ドイツでは目に入る物全てが分からなかった。知らない言葉を耳にした際は辞書を使わず人に聞いた。次に同じ言葉を耳にした際は別の人に意味を聞いた。これを繰り返し、感覚的、映像的にシチュエーションも交えて理解した」と振り返る。

 「人によって言葉の意味が違った。作品では、物を物として認識していない時、どう言葉にするか分からない時に、言葉を感覚的に覚えたり、理解したりする過程を抽象化した」とも。

 「知らない言葉を見つけて向き合うため、ひたすら辞書を読んだが、辞書では感覚的に理解する体験ができなかった。辞書は言葉の一覧で、言葉を決めて使っている。自分にとって正しいか分からない」と濱脇さん。

 作品制作に当たり、濱脇さんは、辞書から心に響く32の言葉を選び、それぞれの言葉の感覚を絵に起こしたという。「絵の一枚一枚が作品ではなく、言葉と向き合う過程でできたものを展示している。言葉と向き合っていること自体が作品」と話す。

 来場していた高砂市在住の男性は「無音の空間ではまず影が面白いと思った。いつも濱脇さんの作品には驚かされ、子供の気持ちになれる」と話す。

 濱脇さんは「言葉は生きている。組み合わせることで成立する物語や情景がある。それぞれの人の中に意味があるので、作品を見て物語を膨らませてほしい」と来場を呼び掛ける。

 9月17日は15時から、濱脇さんがギャラリートークを行う。

 開催時間は9時~17時。入場無料。今月22日まで。

 在廊日は17日と22日、11時~16時。