加古川の工務店で勤務する菅聡一郎さんが手先の器用さを生かして手作りした人形をユーチューブに配信し、地元ファンから注目を集めている。
人形のモデルとなるのはマービン・ゲイをはじめ、松田優作、チャップリンなど、菅さんが好きな歌手や俳優、芸人など有名人。
「人形製作のきっかけは昨年のゴールデンウイークの予定が空いてしまったから」と話す菅さん。今では月1体程度のペースで人形を製作し、作品の世界観を発信するためユーチューブで動画を配信する。
撮影は、もっぱら定時後の会社か自宅で行う。夜中まで照明の角度を変えながら撮影することもあるという。
菅さんは、現代美術家でカラクリ人形を使って独特の世界観を表現するムットーニさんを「心の師匠」として慕っていると言い、自身の人形も伝記などで人物像を調べ、「どのポーズがこの人を表せるのだろう」と世界観を引き出すことに力を入れる。
新作は、昔祖父と一緒に落語を見て大笑いし、「人を幸せにする笑顔を持っている」と菅さんが話す、桂枝雀さんをモデルにした人形。「誰でもノスタルジーを感じる時があり、それがエネルギーの源になる場合がある。人形を見た人の感情を揺さぶることができれば」と話す。
今後について、「アイデアは無限に広がるが、人は見たものしかアウトプットできない。表現を広げるために、さまざまな人、音楽、映画などに接し、自分を広げながらオンリーワンの作品を生み出したい」と意欲を見せる。