稲美町民参加型のオリジナルミュージカル「龍をあむ」が3月31日、稲美町立文化会館(稲美町国安)コスモホールで上演された。観覧の申し込みが多かったため前日のリハーサルも公開し、延べ約1500人が稲美町の疎水の歴史を学んだ。
同公演は農業用水確保に奔走した先人たちの苦労や功績を知ってもらおうと企画。出演者は稲美町民が中心で、昨年の5月と7月に演技やダンスを学ぶワークショップを開講。9月から週2日の練習を重ね、約30人が今回の公演に出演した。
古代から水に恵まれず、思うように農作物が育たない「いなみ野台地」で苦しむ農村の様子や、水を求めて行われた測量図面と出合いなど、近隣の川からいなみ野台地に水を引く疎水の歴史が描かれた。歌やダンスのシーンでは観客も手拍子をするなど会場一体となり盛り上がった。
観覧した男性は「稲美町は水不足で悩んでいたと聞いていたが、公演を見てよく分かり実感が湧いた」と話していた。公演を終え、実行委員長の中谷範之さんは「苦しい時でもみんなで助け合うと目標を達成できる道に乗れることをお伝えできたのでは」と振り返る。