障がいのある人の幼児期の教育から就労支援までを事業展開するKXホールディングス(東京都中央区)が11月1日、就労移行支援事業所「ハンズ加古川」(加古川市加古川町、TEL 079-451-9866)を開設した。運営は同グループ子会社のハンズ(姫路市)。
実際の職場を想定して「カフェのようなオフィス」のイメージを目指した事業所
就労移行支援は就職を目指す18歳から65歳未満の障がいのある人に、就職のためのスキル向上や就職活動・企業実習などをサポートする就労支援サービス。同社はこれまでに兵庫・大阪を中心に6つの事業所を展開してきたが、明石や姫路などの事業所へ通う加古川市内やJR加古川線沿線に住む利用者からの声に応え加古川への新規開設を決めた。
内装は白と木目を基調とし、グリーンをアクセントにした。カウンターを設けた壁面にはヒノキを利用するなど温もりのある落ち着いた空間に仕上げたという。センター長の壁村伸一さんは「実際の職場を想定して『カフェのようなオフィス』のイメージを目指した。利用者にとっては一人でカフェに行くことも勇気がいる。トレーニングしながら雰囲気に慣れて、本当のカフェにも行けるようになってほしい」と話す。
同事業所では「未来の可能性を自分に」をコンセプトに、仕事が続かない、コミュニケーションに不安がある、生活リズムの乱れがある、などの悩みに対して、対人面の強化などヒューマンスキルに特化した独自の訓練・支援プログラムを提供する。内容は実際の業務を想定し、チーム分けやスケジュール作成を行い、成果物完成に向けて取り組むことで報告・連絡・相談や自己決定力・自己発信力・主体性を身につけるチーム訓練や、就労に必要な知識や自己理解などを学ぶ座学訓練など。現在は20~40代の13人がサービス開始に向けて準備を行っている。定員は20人。利用料金の負担上限月額は前年度の世帯収入状況に応じて、月額0円、9,300円、3万7,200円の3区分を設定しているが、利用者全体の約9割が負担月額0円だという。
「就労移行支援は介護などに比べると歴史が浅いので知らない人も多い。障がいで仕事に悩んでいる人やその家族に就労移行支援やハンズ加古川を知ってもらい、10年後、20年後の未来を自身で切り開いていけるようになってもらえれば」と壁村さんは話す。
営業時間は9時~17時。日曜・祝日定休。