稲美町在住の大西秀睦さんが現在、「加古郡西国霊場」についてまとめた冊子の完成を目指し調査に取り組んでいる。
大西さんはこれまで10年以上にわたり、「加古郡旧西国霊場」「加古郡(秩父)新西国霊場」「加古郡(坂東)西国霊場」を調べ、それぞれ冊子にまとめている。冊子には霊場となる寺院名や宗派、場所、本尊などを記載するほか、寺ごとに定めた和歌の「御詠歌」も調べて記載するが、同歌が不明な霊場が多く存在するという。
大西さんは「加古郡旧西国霊場の御詠歌は佛性寺(播磨町)の住職が保管していたので分かったが、加古郡(秩父)新西国と加古郡(坂東)西国霊場のいくつかの御詠歌が分からなかった」と話す。現在、加古郡(秩父)新西国霊場で17、加古郡(坂東)西国霊場の13の御詠歌が分かっている。
昨年12月、不明の御詠歌もあったが、いったん冊子にまとめ、これまで調査に協力した稲美町立郷土資料館などに納めた。
大西さんは「実際に調べ始めると分からないことが多く、資料も残っていなかった。自分のように地元のことが知りたいと思った時に、この冊子がその人の役に立てばうれしい。そのためにも、何とか残りの御詠歌を調べ上げて完成させたい」と話す。