無農薬無肥料稲作を実践する専門家の指導の下、自身が食べる米を自らの手で育てたい人が米作りできる「オーナーシップ制稲作」の第2期目のオーナーを現在、稲美町の中新田営農組合(稲美町加古)が募集している。
オーナーは対象となる田んぼの除草を手作業で行う。そのほかあぜの草刈り、耕運、代かき、田植え、稲刈り、米の管理などで、専用の機械が必要となる作業や共有部分の維持管理については同組合が担う。この制度をプロデュースするmizuenouen(同)の前川瑞江さんが専門家として指導する。
同組合が管理する農地は、年々高齢化によって休耕田が増加。そのほ場で無農薬の農地を広げていけないかと模索していたところ、自然の中で幼児を対象に保育活動をするNPO法人「ころあい自然楽校」(稲美町加古)代表の大江佑里子さんから「子どもたちに農業体験をさせたい」と相談があり、家族も含めて農作業ができるオーナーシップ制度を企画した。
前川さんは「シーズン中、隣接した田んぼで作業しているため、オーナーが作業中に分からないことがあれば、いつでも対応することができる。自分のタイミングで田んぼに来て作業ができる点が魅力。安心して参加してもらえたら」と笑顔で話す。
前川さんは「手間を惜しまず除草ができた場合は、1区画(200平方メートル)当たり90キロの米の収量が見込める。ただし、オーナーの頑張りによって収穫できる米の量が変わるため、根気が求められる。第1期のオーナーから『稲作の大変さを実感することで、自分たちが食べている米のありがたさに気づいた』という声もあった。担い手不足の実情を知り、何かできることがないかと申し出てくれるオーナーも出てきた。今後は農家の担い手を育成する体制を整え、移住希望者を地域つないでいくなど、さらに広く事業を展開していきたい」と意気込みを見せる。
オーナーシップ制稲作の募集数は20家族で、年会費は4万9,500円(税込)。枠が埋まり次第募集は終了。申し込みは同組合のインスタグラムで受け付ける。