要らなくなった物を次の誰かにつなげる「0円お譲り交換会」の常設店「ぐるり」(加古川市尾上町)がオープンして2カ月がたった。
これまで加古川河川敷や百貨店、オンライン上で物々交換をしてきた。東京・有楽町マルイでのイベントで無人で運営したところ、自ら進んで服を畳んでくれる人、接客をしてくれる人たちがいたという。主催者の久本和明さんは「楽しいと思える環境が整えば、スタッフが全てやらなくても助け合いの循環が生まれることに気づいた」と話す。
「場所さえあれば運営できるのでは」と、久本さんが経営するアパレル会社「ワンピース」のイベントスペース「i to i(アイトゥアイ)」に常設することにした。
「ぐるり」を始めたきっかけは、フランスの物々交換マーケット「SMICVAL」の動画。クローゼットがいっぱいにもかかわらず、詰め込むように購入し、さらに使い捨てている現状に違和感を持っていた久本さん。「廃棄物処理場の横で不要になった物をやり取りしているのを見て『これだ』と思った」と振り返る。
店に不要になった物を持ち込んで自分で好きな場所に並べ、欲しいと思ったものを持ち帰れる。衣類の他にも、ベビー用品や小型家電などの雑貨も持ち込み可能で、全て無料。持ち込みの基準は「友達に譲れる状態の物」。
久本さんは「お金に頼らない、助け合う循環をここで体感して、身近なことに返していってほしい。みんなが幸せな社会をつくっていく一員である意識につながれば」と期待を込める。
開店時間は11時~16時。