東京オリンピックに向けての事前合宿に入る南太平洋の島国「ツバル」の代表選手が7月9日、加古川市に到着し、宿泊先の加古川市立少年自然の家(加古川市東神吉町)に入った。
事前合宿で加古川市に滞在するのは、陸上男子100メートルのカラロ・ヘポイテロト・メイブカ選手。カラロ選手は2年前に代表候補選手として、加古川市で行われた合宿に参加。その後代表の座を勝ち取り、2年ぶりの来日となった。今回、新型コロナウイルス対策のため、ツバルを出国する飛行機の欠航が決まったため、ツバルを離れフィジーに在住していたカラロ選手のみが来日した。
カラロ選手は、9日の6時30分ごろに成田空港に到着し、新型コロナの陰性を検査で確認した後、10時前にバスで出発。19時20分ごろ少年自然の家に到着し、市の職員10人の出迎えを受けた。フィジーの自宅からおよそ25時間の長旅ということもあり、少し疲れたような表情を見せながらも笑顔で手を振り、宿泊する建物へ移動した。
10日には、ツバルオリンピック委員会のメンバーが感染症対策のためウェブ会議システムを利用して加古川市長を表敬訪問した。表敬訪問は、カラロ選手が滞在する少年自然の家と加古川市国際交流センター、ツバルの3カ所を結び、実施された。市からは、岡田康裕市長と副市長2人、加古川市議会議長が出席。市長は「特別なおもてなしができず残念だが、自然豊かな環境でトレーニングに集中してほしい」と歓迎した。ツバルオリンピック委員会を代表してミカ・エリサイア委員長も市の関係者にこれまでのもてなしと親切に対して感謝を述べた。市からカラロ選手に記念品を贈呈した後、ツバル側は感謝の気持ちを表しダンスを披露した。
カラロ選手は、21日に東京へ出発するまで加古川運動公園陸上競技場で練習を重ね、オリンピック本番に備える。出場する陸上男子100メートルの予選進出者を決める予備予選の開催日は7月31日。