高砂市伊保崎に住む高谷敏夫さんが飼育する「ニホンイシガメ」が8月から9月にかけて産卵、ふ化を繰り返し、12匹の子ガメが生まれた。
ニホンイシガメは日本固有種で、環境省レッドリストでは「準絶滅危惧」に指定されている。高谷さんは30年ほど前に法華山谷川(高砂市)でニホンイシガメを捕まえ、飼育を続けてきた。現在は成体が18匹いる。これまでもふ化することはあったが、多くて7匹。産卵後の卵をほかのカメが食べたり割ったりするため、繁殖がうまくいかなかったという。高谷さんは「今年から週1回程度、産卵場所を掘り返して卵がないか確認していた。卵を発見すると親ガメがいない別のケースに入れて、毎日水やりをするなどの世話を続けた」と話す。「これだけ多くの子ガメが生まれたのは初めてでうれしい」と笑顔を見せる。
高谷さんは生き物の飼育が趣味で、これまでにも「クサガメ」「ミドリガメ」などのカメ類の他、ジュウシマツやカナリア、フクロウなどの鳥類、チンチラやハリネズミなど30種類以上の生き物を飼育してきたという。「まるでちょっとした動物園」と高谷さん。現在はカメとメダカ、鶏などしか飼育していないが、近所の子どもがよく見に来るという。高谷さんは「生き物が好きで、特に育てたり子どもを産ませたりすることが楽しい。新しい生き物を飼育する予定はないが、ニホンイシガメはこれからも世話を続けていきたい」と笑顔を見せる。