高砂の鶏卵メーカーである「籠谷」(高砂市荒井町)が4月22日に、産学官連携で兵庫県立大学の学生が考案した新パッケージのブランディングパック卵を販売開始した。
県と大学による地方創生推進事業の一環で、兵庫県消費流通課、兵庫県立大学、同社が兵庫を軸として、地域性を生かし、地産地消を目指して実現した新商品。使われる鶏卵は、同社が兵庫県産飼料米にこだわる上郡の養鶏場で採れたもので、より多くの消費者に知ってもらいたいと感じていたときに連携開発の話が舞い込んできたという。
開発は同大学の経営学部1年生の基礎ゼミのメンバー45人が9チームに分かれ、取り組くんだ。学生たちが、市場調査・マーケティング・企画立案・デザイン作成・プレゼンテーションを行い最終選考に至ったという。
同社の古川万葉さんは「私自身はみんなが悩んだときに、鶏卵業界ならではのこととかをヒントとして与えただけ。学生は消費動向や消費者目線を真剣に取り組んでくれた。根拠として国税調査データを持ち出された時には関心した」と共に過ごした半年間を振り返る。
同社の社員らが選考し選ばれたのは、日頃料理を作ってくれる家族から愛情や応援の気持ちを感じていた学生たちが「黄身に込めた思いが君に届きますように」とパッケージに表現した「おうえんたまご」だった。
古川さんは「料理の中で、時には主役も張れ、名バイプレーヤーとも言える卵の存在感をうまくキャッチコピーにしてくれて、新しい風を吹き込む商品にしてくれた。他のグループも本当に優劣付けがたい白熱の選考デザインで、何だかもったいなくて」とも話した。
「おうえんたまご」は播磨地域の量販店の店頭に並び、今後県内に展開する計画もある。