県指定文化財「工楽松右衛門旧宅」(高砂市高砂町、TEL 079-490-4790)が6月3日で開館1周年を迎えた。
同館の来館者は今年1月に3万人を突破し、5月20日現在で約4万2千人を数える。工楽松右衛門旧宅館長の大崎敦紀さんは「昨年オープンの際は500人を超える来館者が訪れた。1年がたつのは早かった。屋敷を覚えるために一から勉強した」と当時を振り返る。
工楽松右衛門は江戸時代に回船業を経営する傍ら、帆布の発明(松右衛門帆)や築港工事法の考案など日本の海運を支え、現在では高砂神社に松右衛門の銅像が建てられている。「この1年で旧宅向かいの岸にはヨットの来港が増えた。松右衛門と船のつながりで交流も盛んになった」と大崎さん。
現在は旧宅を中心に周りの古民家の修復も進んでいる。旧宅内は昭和の懐かしい生活用品や昭和クイズなどが用意され、建物以外でも楽しむことができる。大崎さんは「外国人観光客も増えているので少しでも起爆剤となることができればうれしい。周りの古民家とも一緒に盛り上げていきたい」と話す。
工楽松右衛門のゆかりの品は1万点以上存在し、現在は100点ほど展示されており、今後も順にお披露目予定。「松右衛門の情報をもっと発信したい。今後は帆や石垣についても専門的に掘り下げていきたい。これからも松右衛門の謎を解明できれば」と大崎さんは笑顔を見せる。
開館時間は9時~18時。入館無料。