高砂の曽根天満宮に12月2日、来年のえと「亥(い)」の巨大絵馬がお目見えした。
曽根天満宮は菅原道真公が大宰(だざい)府へ左遷される途中で、高砂の伊保港に立ち寄り日笠山の松(苗)を植えたのが神社の始まりとされる。俳人や学者などが訪れ、曽根の松を題材にした句も多く残っている。初代曽根の松は現在「霊松殿」で幹が保存されている。
縦約2メートル、横約2.5メートルの大きさが特徴の巨大絵馬の展示は、30年以上続く行事。当初は書のみだった絵馬が、えとを2巡目するころには絵が加えられ、現在の形態になったという。
書と絵は毎年作者が変わり、その年々で作風の違いも楽しめる。今回は、大阪在住の書家・安田東鶴さんの作品を来年の12月ごろまで楽しむことができる。
宮司の曽根文省さんは「今年も自然災害などいろいろあった。勇ましいイノシシのように困難を乗り越えてほしい」と話す。「絵馬のイノシシの躍動感を出すために茶色の線で飛んでいるように表現している。近くで見ていただきたい」とも。
過去の約30年分の絵馬についても全て保管しており、「いつか全ての作品を展示できれば」と曽根さん。
「巨大絵馬のほかにも、梅祭や秋祭りなど、季節ごとの行事を行っている。当天満宮では梅の木を多く植えているので3月の梅祭も参拝してもらえたら」と呼び掛ける。