高砂のからくり細工人「はらっく工房」(高砂市西畑)の原克文さんが11月2日・3日、パリ日本文化会館(フランス・パリ)で開催された「からくり人形の動態展示」に夢からくり一座の一員として参加した。
夢からくり一座は、日本からくり研究会のエキスパート養成所として誕生。伝統技術の伝承を目的に、「からくり」の収集、研究、修復、製作活動を行うほか、からくり人形の実演を教育し、からくりへの理解を深めてもらうための公演活動を行っている。
今回の公演は、東京とパリの両都市間の文化交流と活性化を目的とした「パリ東京文化タンデム」の正式プログラムとして開催。同プログラムは、「世界にまだ知られていない日本文化の魅力」を紹介する大規模な複合型文化芸術イベント「ジャポニスム 2018」の特別企画で、同一座からは、19世紀前半に「からくり儀右衛門」こと田中久重が日本各地で行った「からくり人形」の興行を展示で再現した。
原さんは「公演では座長の東野進氏が製作した弓曳き童子、茶酌娘(茶運び人形)、品玉人形、文字書き人形、弓射り甲胄武者人形の5種類の動態展示を行った。自分が担当した茶酌娘(茶運び人形)の実演では、客役をしてくれた来場のフランス人の方々が正しく正座したことに驚き、日本の文化へ興味や関心を抱いていることを感じた」と話す。
今回の公演に出展した弓曳き童子、茶酌娘(茶運び人形)、品玉人形、文字書き人形については原さんも既に製作し完成させており、現在は弓射り武者人形の製作中で来年12月の完成を目指しているという。
「今回の一大プロジェクトに参加させてもらえたことは、貴重な経験になった」と原さん。「これからもからくり人形の製作を続けながら、普及活動を行っていきたい」と笑顔を見せる。