高砂の旧入江家住宅(高砂市曽根町)が中秋の名月に合わせて、9月22日に夜間特別公開される。主催は高砂市教育委員会生涯学習課文化財係(TEL 079-448-8255)。
兵庫県指定重要有形文化財に指定されている同住宅は、江戸時代後期に塩田経営で栄え、曽根村の庄屋を努めた「入江樵風(しょうふう)」が暮らした民家建築。2001年に入江家から高砂市に寄付された。
毎年、日中に一般公開される際には400人ほどの来場者があるという。夜間に公開されるのは今回が初めて。
当日は、月見団子とお茶のセット(300円、先着80セット)が販売される。同課係長の清水一文さんは「本座敷・仏間でゆっくりくつろいだり、ライトアップされた庭園を楽しんだりしてほしい。普段の公開とは違った旧入江住宅を見てもらえたら」と話す。新座敷では入江家所有である山水画の金びょうぶが一双展示されるという。
旧入江家住宅は2010年に表屋の保存修理を終えたが、今後も修復を行う箇所が残っているという。清水さんは「重要文化財ではあるが、家屋なので使用することが望ましい。修理を続けていき、イベントなどを定期的に行いながら後世に伝えていきたい」と今後の展望を話す。
「庭園では中秋の名月も、月見団子も両方堪能してほしい。230年の時の流れを建物の中で感じていただければ」と参加を呼び掛ける。
開催時間は18時~21時。参加無料。