高砂市の曽根町南之町で5月20日、34年ぶりに新調された屋台の制作が公開された。主催は南之町屋台部。
同催しには、塗師(ぬし)の砂川隆さんと錺師(かざりし)の北角和久さんが招かれ、漆塗りと飾り金具の装飾を施す行程が公開された。砂川さんは、部位によって2~25回の重ね塗りを経て完成する漆塗りの工程を説明。北川さんは、屋台の高欄の四隅に立つ男柱に付ける飾り金具を作る様子を披露し、訪れた約65人が職人の技を興味深く見守った。
同屋台部清書元の佐野栄作さんは「新調した屋台が出来上がるまでの工程を見ることで、一つ一つに職人の技や魂が込められていることを知ってもらいたい。これまで以上に屋台へ愛着を持ってもらうことで、次代へ引き継いでいってほしい」と話す。
近所に住む西口善裕さんは「日本の伝統技術の高さと重みに驚かされた。完成品を見るよりも、制作過程を知ることで、より自分たちの屋台に愛着が持て、大切にしないといけないと感じた」と感想を話した。
完成した屋台は、10月初旬の声合わせ、おはらいで住民に披露され、曽根天満宮での秋祭りへ繰り出す。