毎年、初詣の参拝者で賑(にぎ)わう鹿嶋神社(高砂市阿弥陀町)の参道で販売されているかしわ餅が受験生に縁起が良いと評判になっている。
高砂にある鹿嶋神社は、青木の神様として、願い事がかなった参拝者が植樹する風習があったが、1935(昭和10)年ごろから植樹する場所が無くなったこともあり、今では「必勝祈願」「一願成就」と、勝利の神様として知られている。
同神社の参道には、参拝者が休憩を取る茶店が並び、1935(昭和10)年ごろから、裏山に育つ柏の木やサルトリイバラの葉を使ったかしわ餅、さんけら餅が販売されてきた。
特に柏の葉は新芽が育つまで古い葉が落ちないことから「こどもが生まれるまで親が死なない」「家系が途切れない」という縁起に結び付け「子孫繁栄」の意味として全盛期には15件の茶店がかしわ餅を扱っていた。
現在も5軒の茶店でかしわ餅を販売し、近年では、「必勝祈願」「一願成就」の鹿嶋神社に訪れた受験生らに、春まで落ちない柏の葉を使ったかしわ餅が縁起物として評判となっている。
かしわ餅を販売する「敬神堂」3代目の山本史郎さんは「かしわ餅は糖分を押さえた時代に合った和菓子」と自信気に話す。
同神社の西谷真太郎宮司は受験生に向けて「かしわ餅と当神社のいわれは関係ないが、『必勝祈願』勝利の神様。これまで頑張って来ていると思うので、神社に参ってもらって心を落ち着けて試験に挑んでもらいたい」と話す。
初詣で賑わう同神社では、今年も三が日で例年並みの約11万人の参拝者を見込む。