加古川商工会議所(加古川市加古川町)で2月26日、「『地域創生 オール市民で加古川イキイキふるさと創り』のためのワークショップ」が行われた。
企業、市民団体、学校、医療機関などさまざまな立場の枠を超え、今後の加古川について考える同企画は昨年7月に始まり、今回で4回目。
同企画ではこれまで、「人口減少」や「今後の加古川」をテーマにしたワークショップを通じて、将来の加古川のキャッチフレーズについて意見を出し合ながら、課題解決に向けたアイデアを交換してきた。
加古川商工会議所建設業部会部会長の前川容洋さんは「若い人がワクワクし、住んでいる人がすばらしいと思えるまちづくりを目指したい」と話す。
この日は、これまで出たアイデアを実現していくための具体的な取り組みついての事例紹介を行った。「まちづくりを目指している人や実践している人、学術的な視点を持った人、それぞれから考えられる時間にできれば」と前川さん。
事例紹介は「東播工業のリノベーションまちづくり」「神話からつながるまちづくり」「相生学院のベンチプロジェクト」「国包まちづくり」「県民局のシティプロモーション」の5事例。それぞれの実践者が活動を紹介するプレゼンテーションを行った。
相生学院高等学校の生徒3人の「ベンチプロジェクト」は、ベンチを切り口にさまざまな表現活動の展開を提案。プロジェクトを通じて、さまざまな人が関われるきっかけを作ることで、不登校や引きこもりといった教育課題を解決するまでのストーリーを紹介した。
国包けやきの会の「国包まちづくり」は、「挨拶(あいさつ)や早起きは私たちのグランドルールです」というポスターや、「分かりやすくおもしろく国包」とのキャッチコピーを作ったことや、一本のケヤキの木を中心にコミュニティーを創った活動を紹介。小さなきっかけから波紋のように広がっていく様子を紹介した。
それぞれの事例紹介を聞いた参加者たちは、テーブルに分かれて質問や意見交換を行った。「ベンチプロジェクトの取り組みはすばらしい」「嫌々やっている活動では継続しない。新しいアイデアを受け入れていくことが必要」などの声が上がっていた。
前川さんは「事例を聞くことで自分のこととして実行していくきっかけにしてほしい。地域の人や企業、役所、団体が集まって、これくらいならできるということを見つけ、その輪を少しずつ大きくしていってほしい」と期待を寄せる。