兵庫県内のヤマト運輸で1月から、「いかなごのくぎ煮」発送セットの取り扱いが始まった。加古川市内の4店舗では現在、販売数の売り上げを伸ばしている。
播磨の地に春の訪れを告げる風物詩として知られる「いかなご」。地元各地ではこの季節、自宅でくぎ煮を炊き、遠方に住む家族や知人に送る風習が今も続いている。
ヤマト運輸では昨年、姫路主管支店の播磨エリア担当が「いかなごラクラク発送セット」を企画。「いかなごのくぎ煮」を詰めるプラスチック容器と発送用外箱のセット(100円)を販売している(発送料は別途)。
容器は縦20センチ、横25センチ、高さ5センチで600~700グラムのくぎ煮が入る大きさ。箱にはいかなごの風景がデザインされ、内側には「いかなごのくぎ煮」に関する解説を記載するなど、贈られた人に瀬戸内の春を伝える工夫を施す。
企画に携わった営業企画課係長の清水盛雄さんは「関東での勤務経験があり、実家から送られてくるいかなごのくぎ煮に春を感じた」と話す。昨年、姫路主管支店勤務となったのをきっかけに、「いかなごのくぎ煮」を送る風習を残したいと考え、気軽に送れるセットを企画したという。
ヤマト運輸姫路では現在、コープこうべのカルチャー教室やJA兵庫南のふぁ~みんSHOPで、発送セット付きの「くぎ煮」を教える料理教室も予定しており、くぎ煮の作り方の伝承と送りやすいサービスの提供という二本柱で「くぎ煮を作り、送る文化」の土台づくりを目指している。
清水さんは「いかなごを作って送るのは播磨の食文化。それを継承するお手伝いができれば」と意気込む。
いかなごラクラク発送セットは、市内の加古川南支店、加古川尾上センター、加古川野口センター、加古川平岡北センターで販売するほか、マックスバリュの一部店舗でも申し込みを受け付けている。問い合わせは、ヤマト運輸(TEL 0120-01-9625)まで。