加古川市で1955(昭和30)年から地場産業の「くつ下」を製造してきた「ワシオ」(加古川市志方町)が、簡単にハンカチマスクを作れるよう、靴下の製造過程でできる切れ端の輪を全国に発送している。
発案は社長で兵庫県靴下工業組合の理事長の鷲尾吉正さん。当初はコロナウイルスの影響でマスクが不足していることから「地場産業でお役立ちしたい」との思いで、地元自治体と協議し、市内での無料配布を始めた。
配布後から、近隣市町村やホームページからの問い合わせが相次いだ。全国で必要としている人にも届けたい思いで、全国発送も開始。自社商品をネットショップで販売するノウハウを生かし、同社の通販事業部で対応している。
靴下のハギレは幅が広く、肌触りがよく長時間着用しても耳が痛くなりにくい特長がある。1セット10個入り。1人1セット限り、送料負担だけで送付する。マスクの作り方や申し込みは同社のホームページから。
通販事業部部長の鷲尾光さんは「ハンカチで簡単に作れるマスクを一人でも多くの人に利用してほしい」と思いを語る。