打楽器3人とピアノ1人という編成のアンサンブルグループ「frap(フラップ)」が12月13日、加古川市の松風ギャラリー(加古川市野口町、TEL 079-420-2050)で「0歳から参加できちゃう!frapクリスマスコンサート」を開いた。
大阪音楽大学の同級生で結成された同グループ。メンバーは、打楽器担当の大西佑果さん、上地(うえち)さやかさん、三好加菜さんとピアノ担当の松永珠実(たまみ)さんの4人。代表の大西さんが障がい者施設に勤務していたころ、利用者の母親から「コンサートに行ってみたいが子どもがいると難しい」という声を聞き、子どもたちにコンサート経験をしてもらいたいと演奏会を開いたのが結成のきっかけ。小さな子どもにも楽しんでもらえるよう、曲当てクイズや手遊びなどを交えた参加型のプログラムでコンサートを開いている。
松永さんは「frapのコンサートでは、目が合ったお客さんがニコッと笑ってくれる。コンサートは堅苦しいイメージを持たれがちだが、ステージとの距離を近くに感じてもらえていると思うとうれしい」と話す。
クリスマスコンサートは毎年開いており今回で5回目。frapのコンサートでは毎回子どもの参加が多いというが、今回は「0歳から参加できる」と銘打ったこともあり、「いつも以上に小さなお子さんの来場が多かった」と大西さん。
マリンバやカホンなど、普段あまりなじみのない楽器にも興味をもってもらいたいと、楽器の名前や構造の解説の時間を設けている。参加型のプログラムとして、肩や膝などを手でたたくボディーパーカッションで演奏に参加してもらう「レッツ・リズム・タイム」や、1曲の中に複数曲のメロディーが登場する曲を演奏して曲名を答えてもらう「曲あてクイズ」も採り入れた。
三好さんは「プログラム構成が子どもっぽいかなと心配したが、大人の方も子どもに返ったように楽しんで参加してもらえていて良かった」と振り返る。
姫路市から0歳5カ月の真帆ちゃんを連れてコンサートに来ていた寺脇理香さんは「子どもに生の楽器の音楽に触れさせたいと参加した。途中で泣いてしまったお子さんもいたが、それも受け入れられていて温かい雰囲気。子どもも興味津々で見入っていた」と話す。
上地さんは「小さなお子さんだけではなく、大人の方もはじけんばかりの笑顔で参加してもらえた。そんな表情を見られるからコンサートはやめられない」と演奏活動の醍醐味(だいごみ)を語る。
同グループは来年、結成5周年を迎える。大西さんは「自主コンサートを増やして、秋には単独ツアーも行う予定。オリジナル曲も増えるので、もう少し大きいホールで演奏するなど、チャレンジの年にしたい」と意気込む。