ひめじ歴史と食文化ツーリズム推進協議会(理事長:住吉寛紀、事業主体:ジーピーエム株式会社)は、2026年3月15日(日)に開催された「町家の日 in 姫路」の野里エリア開催に合わせ、現在進行中の「古民家オーベルジュ」プロジェクトの改修現場(事業地:姫路市威徳寺町16 番地、17 番地、18 番地・伊伝居 92 番地-4)にて、1日限定の特別公開を実施いたしました。

江戸期の町家を舞台に行われた特別公開には、多くの方が足を止めました
当日は、地域の方々や観光客など、300名が来場。事業地である地続きの江戸期の町家3棟は、かつて習字紙を扱う「紙屋」や、お米屋、そろばん塾、結納品店として町の日常に寄り添ってきた建物です。来場者の皆様には、この築100年超の古民家がラグジュアリーな滞在型観光拠点へと生まれ変わる「今しか見られないプロセス」をご見学いただきました。

築100年を超える漆喰の壁とむき出しの骨組みを見学する来場者の皆様
今回の特別公開で最も来場者の関心を集めたのは、最新のAR(拡張現実)技術を活用した完成イメージのバーチャル体験です。設置された専用パネルにスマートフォンをかざすと、画面上に夏以降オープン予定の「オーベルジュ」の完成イメージが出現。印象的な漆喰の壁やむき出しの骨組みが残る現在の空間と、洗練された未来のデザインを手元で見比べるような、特別な疑似体験を楽しんでいただきました。
また、こうした視覚的な体験に加えて、会場内では完成後のコンセプト・デザインを詳細に記したパネル展示もあわせて実施しました。
当協議会では、ただ建物を新しくするのではなく、「人々の営みの記憶」を未来へ継承し、古民家を残すこと自体が“滞在の価値”となるオーベルジュを目指しています。
姫路観光の長年の課題である「日帰り観光」から「滞在して楽しむ観光」へと転換を図るため、播磨地域の酒蔵や農家、伝統工芸と深く連携し、「地産地消」を「ラグジュアリーツーリズム」へと昇華させる――。そんな私たちのビジョンを、来場者の皆様と直接共有することができました。
皆様からは、野里の新たなランドマーク誕生に対する期待の声が多数寄せられました。

未来の完成図やプロジェクトの理念を展示(左)

展示にはAR技術を活用しました(右)
「姫路の歴史が刻まれた古民家に、豊かな食と職人の技を掛け合わせ、新たな命を吹き込みます。
私たちが目指すのは、文化的な価値を『忘れられない体験』として提供し、それが地域をしっかりと潤す持続可能なサイクルを作ることです。
地域活性化の新しいモデルとして、そして姫路の誇りを次世代へ継承する舞台として。
ここ野里から、力強く発信してまいります。」
本オーベルジュの料理長(シェフ・ド・キュイジーヌ)には、フランスの三つ星レストラン等で研鑽を積み、数々のコンクールで受賞歴を持つ気鋭のシェフ・米田武史氏が就任します。
「料理を味わうために泊まる」という新しい旅のスタイルを提案し、翌朝には地元食材を生かした和朝食で野里の時間を五感で味わっていただきます。
今後は、公式サイト公開(および正式名称の解禁)を経て、2026年夏以降にフレンチレストラン部門を先行オープン、同年秋以降に客室棟を含むグランドオープンを予定しております。
(※古民家を丁寧に改修しているため、進行状況によりオープン時期が前後する場合がございます。)
姫路・野里から世界へ、歴史と食文化を発信する本プロジェクトの今後の展開に、ぜひご期待ください。
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「古民家オーベルジュ」最新の完成予想パース
完成後は、江戸期の趣を残しつつ新たな息吹を吹き込みます。

改修前の古民家外観(左)

野里の町並みに溶け込む外観最新パース(右)

レストラン棟の一部 最新パース(左)

宿泊棟レセプション 最新パース(右)
「町家の日」とは、日本特有の伝統的建造物である町家の魅力を発信し、その保全と継承を目指して全国一斉に展開されている取り組みです。「町家の日 in 姫路」では、市内の各エリアで町家を活かした特別公開やイベントが連動して開催され、地域内外の人々が歴史的景観の価値を再発見する貴重な機会となっています。
特に、城下町の風情を色濃く残す「野里エリア」において、本イベントを牽引する中心人物が、当協議会の理事を務める塩本由紀子氏です。
塩本理事は、野里にて江戸時代後期に建築された町家を夫婦で再生し、地域の憩いの場として親しまれる古民家カフェ「小倉屋」を運営しています。さらに、町家の保全や伝統技術の継承に取り組む団体「姫路・町家再生塾」へ参加するなど、長年にわたり野里の歴史的景観の保全と地域コミュニティの活性化に尽力してきました。
当協議会は、こうした地域に深く根ざしたメンバーが中枢を担っています。私たちは単なる観光開発ではなく、「町家の日」の理念に深く共鳴し、地域の方々とともに野里の歴史的景観を守り、次世代へと継承していく。その確固たる想いが、今回の「古民家オーベルジュ」プロジェクトの根底に流れています。

ひめじ歴史と食文化ツーリズム推進協議会 塩本理事(左)と、ご夫婦で経営する古民家カフェ「小倉屋」(右)
現在、姫路をはじめとする多くの地方都市では、農業などの「一次産業の衰退」や「後継者不足」が深刻な地域課題となっています。地域を根底で支えてきた豊かな食文化や、それに紐づく景観が失われつつある中、当協議会は、これら一次産業の復興を起点とし、姫路に息づく「歴史・町家・古民家」といった資源と掛け合わせて新たな価値を創出することを目的に、2025年に設立された地域横断型の推進組織です。
姫路市は世界遺産・姫路城を擁する一方で、「日帰り観光」が主流となっている観光面の課題もありました。当協議会は、地域の生産物を地域で消費する従来の「地産地消」の概念をさらに発展させ、一次産業が生み出す食文化を、宿泊を伴う「ラグジュアリーツーリズム」と掛け合わせることで、この複合的な課題に挑みます。
単なる農業振興や消費者ニーズを満たすだけでなく、町に根付く歴史や食文化を貴重な観光資源へと昇華させ、県外や海外から訪れる旅行者へ「ここでしか味わえない唯一無二の体験」を提供することを目指しています。
少子高齢化が進む中、姫路が中核都市として流入人口を増やし、経済を持続的に発展させるためには、こうした新たな価値の創造が不可欠です。地域に住む人々、地元企業、学生たちが連携して活動を「見える化」し、町の未来を創るリーダーの育成と、次代に残すべき歴史・食文化の保護・継承を目指し、以下の3本柱で“滞在型観光”を推進しています。
【主な活動の3本柱】
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農と食の連携による地域振興(食文化体験)休耕地や耕作放棄地の開拓を通じた農業振興をはじめ、播磨の酒蔵、農家、器や和菓子の工房等と協働。地域の生産や技に触れる農業体験や、飲食を通じた質の高い「食文化体験プログラム」を開発・提供します。
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古民家や町家の保存活用(歴史体験)歴史的建造物を修復し、現代的な観光や食の舞台として再生させることで、文化財を守りながら新しい価値を生み出します。古民家宿泊による歴史体験を推進し、現在進行中の「古民家オーベルジュ」プロジェクトはその象徴的拠点となります。
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新たな観光需要の創出(観光ツアーの企画・運営)「世界遺産・姫路城 × 食文化 × 古民家体験」という独自の組み合わせを軸に、地元の魅力を深く体験できる観光ツアーを企画・運営し、国内外からの誘客を図ります。
今後も行政や観光事業者らと強固に連携し、姫路の魅力を未来へ継承する使命を果たしてまいります。