加古川市志方町に本社があったタオルメーカー「稲岡工業」の歩みを文書で紹介するワークショップが3月3日、稲岡鉄工(加古川市志方町)で開かれる。
加古川はかつて木綿の一大産地だったことから繊維産業が発展した。稲岡工業は明治期に創業し、2012年に倒産した。
地元の繊維産業の歴史をひも解こうと2014年、地域住民や郷土史家らが集まり結成した「稲岡工業株式会社文書保存会」では、稲岡工業が残した文書を整理・点検し、年に一度見学会を開いている。
今年で6回目となる文書見学会は、調査を終え目録に記載したの資料約4000点をはじめ、江戸期に建てられた蔵から搬出した資料約2万点、新たに目録に加わった資料2000点などを一般公開する。、ワークショップでは保存目録作成の様子を実際に見学できる。
資料の中には、明治・大正期の播州地方の人々の暮らしが垣間見えるポスターや冊子などもあり、地域の歴史に触れることができる。講師に、龍谷大学経済学部教授の佐々木淳さん、広島県立文書館主任研究員の西向宏介さん、日本学術振興会特別研究員の渡辺千尋さんなど5人を招き、専門家の観点から稲岡工業の歴史を解説する対談も予定する。
「稲岡工業株式会社文書保存会」事務局の吉田ふみゑさんは「驚くような資料がたくさん残されているので、興味のある資料に出合えるのでは」と話す。
開催時間は13時30分~16時。入場無料。