加古川のレストラン「HEROES(ヒーローズ)」(加古川市八幡町、TEL 079-451-7636)が3月8日、子ども食堂の運営を始めた。
店舗面積は約30坪。席数は、カウンター席8席、テーブル席38席の計46席。子ども食堂は月2回、同店スタッフとボランティアスタッフで運営する。
第1回となる8日は、子ども5人を含む15人が集まった。ボランティアスタッフによる食材の持ち込みや差し入れなどの協力もあり、カレー、マーボー豆腐、ピザトースト、卵サンドなどさまざまなメニューが並んだ。料理の提供のほか、ゲーム大会、ギターやドラムの演奏なども行われた。
店長の白矢恭子さんによると、自身の経験から、さまざまな家庭の事情で子どもたちが1人で寂しく食事していることやインスタント食品などで栄養が偏っていることを心配し、みんなで楽しく食事をしたり、遊んだり、宿題をしたりといった機会が提供できればと思ったことが子ども食堂を始めたきっかけという。
恭子さんは「最近の子どもたちは夢を持っていないように感じる。大人の疲れた顔を見て、『しんどそう』や『大人になりたくない』と思っているのではないか。大人が生き生きしている姿を子どもたちにみせたい」と話す。
恭子さんの夫で社長の白矢公一さんは、カンボジアの児童養護施設や障がい者施設などに衣食住や職業訓練などの支援活動を続けており、今年で14年目を迎える。毎年6月にはカンボジアの子どもたちに会いに現地を訪れているという。
恭子さんは「3年前に初めて一緒に行ったことで支援活動に携わる思いや、子どもたちに対する思いがより強くなった」と振り返る。「普段は赤と白で統一したアメリカンスタイルのレストランとして営業している。車やバイクが好きな人だけではなく、家族で楽しめる場所となるよう心掛けている。大人が楽しむ姿を見せて、子どもたちに夢を与えられるような店であることも大切にしている」とも。
恭子さんは「子どもたちが主役ではあるが、子育てをがんばっているお母さんやお父さんにもぜひ参加してもらいたい。子どもたちを預けて自分たちは別の場所でストレスを発散してもらってもいい。親が助かることで、結果的に子どもたちが助かることも知ってほしい。遠慮しないでどんどん利用してもらえれば」と呼び掛ける。
公一さんは「今は少子化が進んでおり子どもは貴重な存在。だからこそ地域で育てる、みんなで育てるという気持ちが大切。固苦しく考えずにみんなで一緒に楽しく食べて、遊んで幸せな気持ちになってもらえたら。子どもたちが大きくなった時にここで得た人の優しさや物のありがたみを次の世代に伝えて良い連鎖が続くような、そんな先駆けになれたら」と笑顔を見せる。
開催日時は、毎月第2第4木曜の18時~21時。利用料金は小学生無料。兄弟など年の差がある場合は要相談。問い合わせは、同店(TEL 079-451-7636)。営業時間は11時30分~18時(土曜・日曜・祝日は11時30分~22時)。火曜定休。