コウノトリの巣塔建設1周年記念講演「となりにコウノトリ」が9月26日、加古川市立神野小学校(加古川市神野町)で行われた。
同校は2022年に150周年を迎えた記念で同年9月、コウノトリの人工巣塔(巣作りするために設置された塔)を建設。今回の講演は巣塔の建設1周年を記念して、環境学習の一環として150周年記念実行委員会を中心に企画し、3年~6年の児童と同小に関わりのある神野地域の住民や卒業生が参加した。
実行委員会の日坂かおりさんは「150周年の節目に地域のシンボルになるようなものを提供したいと考え、実行委員でコウノトリの巣塔を考えた。コウノトリが棲める環境づくりを通じて学校、保護者、地域がつながるきっかけを作れたら」と、開催に至った経緯を話す。
講師は読売新聞大坂本社京都総局宮津通信部の記者、松田聡さん。巣塔建設の際に同委員会の取り組みを知り、講演を引き受けた。20年以上コウノトリを取材してきた知識を生かして、コウノトリの生息地、日本での生息の歴史を伝えた。
児童らはコウノトリの餌の話で亀を食べると知るとざわめきが起こり、コウノトリを守りたい理由を問われると「命がある」「かわいいから」「一度絶滅させたから」などの意見を述べるなど、積極的に参加した。代表児童は「コウノトリも棲める環境をつくる、という言葉が心に残った。かんのっ子として環境を守りたい」と、これからの環境学習に意欲を見せた。
同校の安茂聖二校長は「当校でコウノトリが繁殖すると全国3例目となる。巣塔があるだけではコウノトリは来ない。環境づくりには地域の協力が欠かせない。子どもたちも期待しているので、これから協力して取り組んでいけたら」と話す。
同校では今年、希少フクロウのアオバズクが観察されている。今後のコウノトリの飛来が期待される。