JR加古川駅前ベルデモール商店街にある履物店「おはきもの高谷」(加古川市加古川町、TEL 079-422-2031)が現在、4月末をめどに閉店の準備を進めている。
同店は3代目・高谷保範さんの祖父が戦前に創業し、約90年の歴史を持つ。つっかけを中心にスリッパ、和装草履、げた、鼻緒などの商品をそろえる。
コロナ禍の影響で客の生活常識に変化があり客足が遠のいたことや、近年の物価高騰による売り上げ減少を受け、昨年夏ごろから店の今後について考え、悩み始め、高谷さんは昨年末、閉店という苦渋の決断を下したという。
高谷さんは「祖父から父、そして自分が受け継いだ店をこの地に構えていたからこそ、お客さまに履物を売るだけでなく、夏祭りや土曜夜市、年末のスクラッチセールやイルミネーションなど駅周辺のイベントに企画・参加し、異業種のたくさんの人と関われた。自分にとっては何よりも大きい経験になった」と振り返る。
現在、店内では一部商品を除いてセールコーナーを設け、商品を売り尽くし次第、閉店するという。
高谷さんは「閉店を知った多くの人から気にかけてもらったり、共感やねぎらいの言葉をかけてもらったりすることがとてもありがたい。閉店まで残り少ない日数、お客さまから惜しまれながら商売をさせてもらい寂しく申し訳ない気持ちとともに、ここで商売ができる感謝の気持ちでいっぱい」と時折、笑顔を見せる。
営業時間は9時30分~19時。