ノンアルコール・バー「ハマーダの酒場」(高砂市高砂町)店主の高濱誠一郎さんがこのほど、島根県大田市に家付きの山林を購入した。
昨年11月に購入したという山林の広さは約18万5000平方メートルあり、家は1900年(明治33年)に建てられたもので、50年から60年ほど放置されている状態だったという。「現在は月に10日ほど島根に行き、自ら住居の修繕を行っている」と高濱さん。
「山を買ったきっかけは、大学時代の先輩が島根県に家付きの山を買ったこと」とも。「いつか自分も山を切り開いて『ファンタジーの村』をつくりたいと夢を温めていたところに新型コロナウイルスの影響があった」と話す。
高濱さんは、世代を問わずさまざまな人がコミュニケーションをとれる場所として毎週末「ハマーダの酒場」を営業する傍ら、関東で開かれるデザインフェスタなどのクリエーターイベントに出展。自身のデザインした、勇者や冒険に関連したグッズを販売するなどしてきたが、緊急事態宣言が発令されるなど、店の営業やイベントへの参加ができなくなったため、「仕事は一つでなくてもいい」と考え、今をしのいで次に備えることを考えた時に、生きていくため食べ物の大切さを感じたという。
「野菜はもともと自然に生えているもの」との理念の下、地元の畑で野菜の栽培を始めたという高濱さんは、自分に必要な量をほかの仕事もしながら採れる栽培方法を探していた際、手をあまり加えない農法があることを知り、購入した山で今後、栽培実験を行う予定という。
髙濱さんは「これからも高砂を大切にしていきたい。高砂と島根両方を拠点としていくので時間はかかるかもしれないが『ファンタジーの村』に関心を持った人が訪れるキャンプ場を作ったり、里山ダンジョンや山菜クエストといったイベントも開催したりしていきたい」と意欲を見せる。