兵庫県重要文化財に指定されている「旧入江家住宅」(高砂市曽根町)で中秋の名月に合わせて10月2日・3日に夜間特別公開が開催される。主催は曽根小町くらぶ(TEL 090-1896-9853)。
旧入江家住宅は、江戸時代に塩田を経営し、曽根村の庄屋を務めた入江家の庄屋層民家建築。庭園には高砂市指定文化財の織部灯籠があり、表屋、主屋、新座敷など静かなたたずまいが歴史を感じさせる。
夜間特別公開では団子とお茶のセットを300円で先着順に販売する。座敷で団子を味わいながら月見を楽しみ、キャンドルでライトアップされた庭園を散策することができる。主屋では入江家で保管されている200年前の御軸や絵画など美術館では展示されていない貴重な美術品も見ることができるという。
旧入江家住宅の夜間特別公開前には「大人の寺子屋・入江塾」を開催。入江樵風(いりえしょうふう)が1840年に刊行した「鶏口集」を朗読家の阿部麻里さんが朗読、高砂古文書の会の歌井昭夫さんによる解説が行われる。
曽根小町くらぶの北野千尋さんは「入江樵風先生が『鶏口集』を記した同じ場所で、朗読を聴きながら情景を思い浮かべることができる、こんな体験は他では味わえない」と話す。「コロナの心配もあるが感染予防に気を付けながら2020年の中秋の名月を楽しんでもらいたい。友達同士や家族でぷらっと気軽に立ち寄ってもらえれば」と呼び掛ける。
開催時間は、大人の寺子屋・入江塾=16時~17時、夜間特別公開=17時30分~21時。入場無料。大人の寺子屋・入江塾は事前申し込みが必要(先着20人)。